聖霊降臨後第15主日「神の国に入るための準備」ルカ16:1-13(2019年9月22日)

父と子と聖霊の御名によって アーメン                         
 

    台風が接近しています。昨日は大口幼稚園の運動会でした。
保育園部門のつい最近までよちよち歩きの子どもたちが、転びそうになりながらも走る姿や年長組の「つくし組」の子どもたちの組み体操をみて、神様の見守りのうちに子どもたちが成長したことを感謝しました。

 

    さて本日の福音書では、イエスは私たちに神の国への準備について指摘されます。

 

    ある金持ちに雇われていた財産管理人は、主人の財産を使い込んでいるのではないかと疑われ、主人から「会計報告を出しなさい」と迫られます。
 不正を働いていた管理人は、仕事を辞めさせられたら大変になる。これから職を探しても見つからないかもしれない。今さら肉体労働もできなし、物乞いをして暮らさなければならないかもしれない、と悩みます。
 そこで、この管理人は何か手を打たなければと思い、主人から、油や小麦を借りていた人たちを呼び集め、証文を書き直させます。油を100バトス(約400リットル)借りていた人には50バトスと書き直させます。この差し引いた50バトスは実は管理人が勝手に決めた利息なのです。当時、貸し付けの利息をいくらにするかは管理人に任されていました。利息の一部は管理人のものになっていました。このことは当時のユダヤの律法からすると不正なことをしていることになります。当時の律法では、ユダヤ人同士のお金の貸し借りには利息を付けてはいけないことになっていました。

 

    小麦100コロス(23,000リットル)を借りていた人には80コロスに書き直させます。値引きした20コロスは利息だったのです。主人の財産は保たれたのです。

 

    管理人の考えでは、利息を値引きしてやれば借り手は喜び、返済も早く終わり主人も喜ぶ。もしかしたら自分が今の職場を解雇されても、借り手が雇ってくれるかもしれないと考えたのです。
 主人はこの管理人のやり方をみて「こいつなかなかやるな」と誉めます。主人の財産には損を出さずに、自分の取り分である利息を差し引いてやり、解雇された後の準備をした管理人の賢さを、主人は誉めたのでした。   

 

    主イエスはこの譬えを「神の国に入る準備」として話されたのです。神の国に入るために、私たちはどんな準備をしているでしょうか?この管理人は神の国に入るために自分の富を分配して準備したのでした。
 神の国への準備は用意周到でなければなりません。小さな事にも忠実でなければ神の国には入れないと言われます。また神と富と両方に仕えることは出来ないといわれます。不正によって得た富をこの世に蓄えるのではなく、貧しい人に施しをして、神様の友人としてもらいなさいと言われるのです。

 

    台風が近づくと私たちは準備を始めます。それと同じように神の国への準備もそろそろ始めましょう。